景気循環


景気というのは、大まかに四つのフェーズに分けて考えると分かりやすいです。

不景気フェーズ、景気回復フェーズ、好景気フェーズ、景気後退フェーズです。

 

不景気フェーズでは、物が売れず、あまり作られず、利益も少ない状態です。賃金も上がらず、定職に付けない人も増えてきて国民生活は厳しい状況です。

そこから、何かのきっかけで景気が好転し始める景気回復フェーズが訪れます。きっかけというのは様々ありますが、日本の経済の中で代表的なものとしては、他国の戦争による特需、オリンピックなどがあります。

好景気フェーズでは、モノがたくさん売れ、たくさん作られ、多くの利益が出せる状態です。賃金も上がり、多くの求人がでます。国民生活は華やかになります。

しかし、何かのきっかけで景気が悪化し始める景気後退フェーズが訪れます。きっかけというのは様々ありますが、日本経済の中で代表的なものは、オイルショックやバルブ崩壊です。

このようにして経済は、山谷を繰り返しながら、長い時間をかけて成長していきます。

何かきっかけがあって景気の好転と悪化が生じると述べましたが、明確な原因が無くても景気循環が発生する理由は説明できます。例えば、以下のような考え方ができます。

好景気の時

みんなお金があるので欲しいもの買う→ものが売れる→どんどん物を作る→

 

しかし、みんな一通り欲しいものが揃う時期が来るはずです。

そうなると、

→ものが売れなくなる→在庫が増える→業績悪化→不景気

というように、景気は自然と山谷を経るものなのです。

 


景気と金利の循環

景気と金利にスポットを当てて考えてみましょう。

好景気→金利上昇→金利が上昇しすぎる→不景気→金利下落→金利が下がりすぎる→好景気

 

金利といいましたが、短期金利と長期金利で動きが異なります。もっと詳しく見てみましょう。

景気回復=ベア・スティープニング → 景気過熱=ベア・フラットニング → 景気減速=ブル・フラットニング → 景気後退=ブル・スティープニング

景気が後退しそう(投資家たちが不安に思い始めた時)に逆イールドが発生

このように、景気が大きな山谷を生じていると、国民の生活が大きく変動し、大変な迷惑を被ります。できれば、山谷をできるだけ小さくして、経済成長していきたいものです。それを実現するために、政府や中央銀行が景気をコントロールすることがあります。その方法としては、金利の操作がよく用いられます。景気が回復し始めると、前もって金利を高く設定することで、景気の過熱を早めに抑えて置くことができます。逆に、景気が後退し始めると、過度な景気の悪化を抑えるために、金利を前もって低く設定することで、景気の後退を早めに抑えることができます。