株の注文の仕方


モノを売買する時、「何を」「どのくらい」「いくらで」かを決める必要があります。

 

「何を」というのは、どの株式を買うかということです。

 

株の単位は「口(くち)」です。そして、各株式ごとに、一口当たりの価格が決まっています。「どのくらい」というのは、何口かくかということです。

 

株式の価格はあらかじめ決められているわけではないので、「いくらで」については、少し複雑です。

株の注文のやり方には、三種類あります。指値注文、成行注文、逆指値注文です。

指値注文は、〇〇円以下で購入、あるいは〇〇円以上で売却したいという注文です。

成行注文は、いくらでもいいから今日中に売買したいという注文です。

逆指値注文は、〇〇円以上で購入、あるいは〇〇円以下で売却したいという注文です。

指値注文

 オークションをイメージしてみましょう。売り手としては、ある商品をできるだけ高く売りたい考えます。具体的に〇〇円以上なら売ってもいいという希望価格があるはずです。一方買い手としては、できるだけ安く買いたいと考えます。具体的に〇〇円以下なら買ってもいいという希望価格があるはずです。株式市場では、多くの売り手と買い手の思惑がせめぎ合い、価格がマッチしたときに売買が成立します。したがって株式の価格が常に変動します。

 指値注文というのは、オークションと同じように、「〇〇円以上なら売る」「〇〇円以下なら買う」という注文の仕方です。

 

 

メリット

希望価格以下では売らない、希望価格以上では買わない

 

デメリット

その日のうちに購入できない場合がある

 

そして、注文の期間を決めておくことができます。例えば、期間一か月間で「〇〇円以下になったら買う」という設定をしておけば、毎日注文しなくても、システムが自動で購入してくれます。

 

成り行き注文

 指値注文では、していした期間で株を売買できないことがあります。「一刻も早く手持ちの株を売りたい」「この株がどうしても欲しい」という人には不向きです。そんな人には、成り行き注文という方法があります。株式市場では、多くの指値注文と、成り行き注文が出されます。そして、成り行き注文をすべて成立させるように、上手く売買取引を成立させていきます。というよりもむしろ、すべての成行注文を成立させるように株価が決まってきます。その価格の決め方は別の章で説明するとして、今は成行注文という方法があることを覚えておきましょう。

 

メリット

その日中に取引を成立させられる

 

デメリット

想定外の価格で売買が成立することがある

 

逆指値注文

 指値注文とは対照的な注文の仕方で、少し上級者向けの注文です。「〇〇円以下なら売る」「〇〇円以上なら買う」というもので、パッと聞いても、そんな注文の仕方をする人がいるのかという感じがしますよね?では、解説していきます。

 

 後の章で出てくるのですが、株式にはトレンドという概念があります。株式がいくら以上になったら今後も上昇が続く可能性が高い、いくら以下になったら今後下落する可能性が高いというものです。

 「いくら以上になったら今後も上昇」の金額で逆指値を設定しておけば、わざわざ毎日株価を確認しなくても、自動で取引してくれます。「いくら以下になったら今後も下落」の場合も同じです。

 

 また、すでに持っている株式がすでに値上がりしていて、今後も値上がりする可能性があったとします。しかし同時に、〇〇円以上値下がりした場合は、せっかく出ていた含み益がゼロになってしまう場合もあるでしょう。そんな場合に逆指値を設定しておけば、株価を逐一確認しなくとも、損失を出すことなく、さらなる利益を狙うことができます。

 

メリット

初めに設定しておけば、逐一株価を確認する必要なく、利益確定や損切が自動で瞬時にできる

 

デメリット

設定を把握していないと、想定外の取引がされて、早すぎる利益確定や、早すぎる損切をしてしまう

約定価格

最後に、約定価格について理解しておきましょう。その名の通り、取引が成立したときの値段です。

例えば指値の買い注文で500円以下の場合を指定したとき、ちょうど500円で買える場合もありますし、499円で買える時もあります。逆に指値の売り注文で500円以上を指定したとき、500円で売れる場合もあれば、501円や502円で売れることもあります。その時の実際の価格が約定価格です。成り行き注文の場合は、自分の意思に関係なく、市場の売りと買いのバランスで価格が勝手に決まります。

では、どのように約定価格が決まって、どのように取引が成立していくのか、次の章で見てみましょう。