安定した副業投資


 投資商品を買うのはそれほどハードルが高くはありません。しかし、安定した投資を長期的に行うのは容易ではありません。自分の目標を達成できるように、複数の投資資産を管理していく必要があります。以下の流れを参考にして、安定した投資を長期的に継続していきましょう。

  1. どんな商品にいくら投資するか
  2. 投資信託を積み立てよう
  3. 株を買ってみよう
  4. 債券を買ってみよう
  5. 外貨を買ってみよう
  6. 金融商品を売ろう
  7. まとめ

1.どんな商品にいくら投資するか

 一時的に特定の投資商品を買うのは、そこまで悩みません。しかし、今後数十年かけて投資をする場合は、結構悩みます。というより、何からどう考えて行けばいいか分からないでしょう。また、投資商品を買い始めたものの、自分のライフスタイルが変わったり、目標が変わったり、保有している商品の評価額が変動したりして、投資方針を見直す必要が出てきます。そうした事態に対処するために、保有している金融商品のバランスを、定期的に見直さなければいけません。

 まず絶対に考えないといけないのは"どのような商品に"、"どれくらいのペースで”投資すべきかということです。いきなり考えることは難しいです。まずは、今の自分の資産のポートフォリオを把握し、半年先の理想的な資産のポートフォリオを決めましょう。具体的なやり方は、ポートフォリオの管理を参考にしてください。また、資産分散によるリスク低減を実現するには、異なる値動きをする金融商品を保有しておくことも大切です。詳細は、金融商品の相関係数を見てください。

 今月はどういう投資商品にいくら投資すべきか、来月はどうすべきかは見えてきたでしょうか?以下の表に書き込んでみてください。

大分類 中分類 今と一年後理想の差額   計画
国内株 国内個別株   →     
国内株投資信託   →     
国内債券 国内債券      
海外株 海外個別株   →     
海外株投資信託      
海外債券 海外債券      
その他 REIT      

 引き続き、投資信託については「投資信託を積み立てよう」を、株については「株を買ってみよう」を見てください。そして興味のある方は、「債券を買ってみよう」「外貨を買ってみよう」も見てください。


2.投資信託を積み立てよう

 ここまでで、どのような分類の投資信託に、毎月いくら積み立て投資していくかが決まりました。あとは具体的に商品を選んで、積み立て設定を行うだけです。

 長期投資の定番は投資信託です。「投資を始めよう!」で簡単に投資信託の選び方を解説しましたが、まだ説明できていない細かい話があります。選んだ投資信託がどのようなものかは、「目論見書」というその投資信託についての説明書で確認できます。目論見書の見方にまとめたので、参考にしてください。

 また、投資信託から派生したETFという商品も、長期投資にとって素晴らしい商品ですので、解説してます。ただしETFはスポット的な買い方をするので、買うときは以下の「株を買ってみよう」の章を参照してください。

 他にも、債券の投資信託の一つとして、MRF、外貨MMFなどもありますが、詳細は後述します。


3.株を買ってみよう

 投資信託と並んで投資商品として人気なのが個別株です。ここからは、株を購入するまでのおすすめの方法を解説してきます。大きな流れとしては、以下です。

  • 個別株の選び方
  • 日本株を選ぶ/米国株を選ぶ
  • タイミングを見極めよう
  • いざ、株を買おう

3-1.個別株の選び方

世界中に無数にある株式銘柄の中から、どうやって投資対象を選ぶべきかを、個別株の選び方に記載しました。

これで、選ぶべき株の基準が分かってくると思います。

3-2.日本株を選ぶ

選び方が分かっても、実際に一人で株を絞っていくのは難しいです。まずは情報も入りやすく、なじみの多い会社が多く、日本円で購入できる日本株についてです。

ロールプレイング形式で、いくつかの株をピックアップする方法を、日本株を選んでみたに記載しました。

もちろん、これと同じような選び方をするのではありません。自分のケースに置き換えて選んでみたください。

3-3.米国株を選ぶ

 日本企業に比べ、米国の株式市場は、数も質も桁違いです。昔は米国株というとハードルが高かったですが、今では日本語で米国企業の情報も手に入りやすいですし、日本のみならず世界的に有名な企業も多いです。また、為替の影響があるとはいえ、むしろドル資産を持っておくことは資産分散の面で有利に働きます。何より、日本の株式市場以上に魅力的です。

 数多ある米国の株式銘柄の中から、どうやって投資対象を選ぶべきかを、米国株を選んでみたに記載しました。

これで、選ぶべき株の基準が分かってくると思います。

3-4.タイミングを見極めよう

 投資信託は、そもそも長期的に定期的に買い増していく商品なので、買うタイミングはそれほど重要ではありません。しかし株は、商品を購入するタイミングも大切です。買った直後に大きく値下がりすると、そこから回復するのに多くの時間を費やしてしまうからです。

 初心者の人が気を付けるべきは、大きな値動きのあるタイミングでは購入しないことです。例えば、決算月や年末年始、選挙や経済指標の発表日などは避けておくべきです。株の上級者は、あえてこのようなタイミングを選んで、未来を予測したり、一足先に情報を仕入れて大きな利益を上げます。しかし、初心者はいきなりそのような難しいことをすべきではありません。原則は、大きな値動きのあるタイミングは避けましょう。

 買うべきタイミングとしては、ファンダメンタルズ指標が良くなった時です。これから長期的な上昇が見込めるからです。しかし、上級者は指標が発表された直後には売買を行っているので、スピードが重要です。 

 そしてもう一つ、テクニカル分析で上昇のシグナルが出た時が買い時といえます。代表的なシグナルについては、上昇と下降のシグナルにまとめましたので、読んでみてください。長期投資をメインにする場合でも、テクニカル分析の結果を参考にしておく方がいいです。テクニカル分析に基づいて取引を行う人がかなりの数いるので、チャートもそれに従って動く可能性が高いからです。それほど深く考える必要はありませんが、代表的なシグナルの時期に、それに反するような取引は避けるべきです。

3-5.いざ、株を買おう

 買うものが決まり、いいタイミングが来れば後は買うだけです。ネット証券の場合ほとんど24時間注文を出すことができますが、実際に購入されるのは商品が取引されている間です。株の場合、平日のお昼休憩を除いた日中の時間帯になります。他の国では、それぞれ取引市場が開いている時間帯になるので、日本だと深夜になることもあります。FXは24時間売買が可能です。

 普通の商品と違い、金融商品は絶えず価格が変動しています。投資信託は日ごとに値段が変わるので、注文が確定するまではいくらか正確にはわかりません。株やFXは時々刻々と値段が変わるので、通常の買い物とは異なり、指値注文成り行き注文という方法で買うことになります。

 簡単に言うと、指値注文は「この値段で買う」とあらかじめ宣言しておき、商品が実際にその価格になれば取引が成立しますが、その価格にならなければ取引は成立しません。一方、成り行き注文値段は、価格によらず確実に購入できますが、思わぬ高値で買うリスクがあります。はじめは、指値注文の方がいいかもしれませんね。

 値段の決まり方はすでに株価の決まり方で学習しましたね。覚えてない人は復習しましょう。

 ここまででようやく、買うべき株の銘柄と、購入量が決まりました。そして、買うのにいいタイミングが訪れて、買い方も決まったとしましょう。いよいよ実際に購入します。気負う必要はありません、ネット証券での購入の手順はいたって簡単です。

1.銘柄を選ぶ

2.数量、買い方を選ぶ

3.購入ボタンを押す

4.購入されたかその日のうちにチェック


4.債券を買ってみよう

債券は、新発債か既発債かで買い方が異なります。

 

新発債の場合

申込期間中に購入しましょう。すでに購入金額が決まっていて、償還時に受け取る金額も決まっています。また、償還の前に市場で取引されている債券の価格が上がれば、償還前に売るのもいいでしょう。売値は市場の需供で決まるので、株と同じように金額が決まります。

 

既発債の場合

株と同じように、市場の需供で金額が決まります。既発債として買ったものを償還日を待たずして売ることもできます。


5.外貨を買ってみよう

今の時代、円だけを持っておくのはリスクが高いです。また、海外の投資商品を購入しようとした場合、円しか持っていないと為替の影響を受けます。もとから一定量の外貨を持っていれば、為替を気にすることなく海外の投資商品を購入できます。

外貨についてで説明したように、手に入れるには主に三つの方法があります。

・外貨預金

・外貨建てMMF

 安全性の高い債券をパッケージにしたドル建ての投資信託

・FX

 レバレッジを聞かせて外貨の売買が可能

個人的には、定期的に外貨MMFを購入していくことをお勧めします。為替の影響を受けないために、タイミングを見て外貨を増やしておきましょう。


6.金融商品を売ろう

 金融商品は買って終わりではありません。インカムゲインは保有しているだけで利益を出してくれますが、適切なタイミングで売って得られるキャピタルゲインも重要です。買うとき同様証券口座で売ることができますが、金融資産の価値は常に変動しているので、売り方にもいろいろなパターンがあります。詳しくは売り方いろいろを見てください。

 しかし、買う判断よりも売る判断の方が難しいといわれます。元の金額より上がった時は「もっと上がるかも」と期待してしまい、下がった時は「これからまだ上がるはず」と売るのを先延ばししてしまうことはよくあることです。そうした場合、感情に流されて冷静な判断ができないということがよくあります。理想は、事前に「いくらになったら売る」「いつになったら売る」という明確な方針を持っておくことです。


7.まとめ

ただ投資商品を売買するだけでは、一人前の投資家とは言えません。自分はどういう状況で、目標に向けてどういう投資をすべきで、適切に投資方針を考え直したり、保有している商品を管理していく必要があります。

以下のようにサイクルを繰り返し、より高いレベルの投資ができるようになりましょう。

 

【現状把握】

将来の目標、今の自分の資産や家計状況を把握し、どの程度なら投資に資金を投入できるか明確にしておきましょう。

今後すぐにお金が必要になりそうならば一部の金融商品を現金化する必要がありますし、給料が増えそうなら投資資金を増やす必要があるかもしれません。

 

【将来分析】

今後の世界経済の状況や、個別の企業の経営状況を分析します。そして自分の理想とする投資標品を、許容できる範囲で売買しましょう。このときの分析と判断を記録に残しておくと、今後の振り返りができます。

 

【計画】

どの商品にいくら投資していくか計画しましょう。また、自分の家計状況が変わった場合や、投資商品の状況が変わった場合にどうするかも考えておきましょう。そして、適切な売買タイミングを待ちましょう。

 

【実行】

計画通りに売買します。投資商品が狙い通り売買できたのかもちゃんと確認しておきましょう。