日本株を選んでみた

日本株の選び方が分かってきたら、具体的にどのように銘柄を選んでいくか、具体例をもとに学習していきましょう。今回は、以下の三人をモデルとして、本人になりきって株を選んできましょう。

  • 株を初めて買うAさん
  • 株を何度か買ったことのあるBさん
  • 株の売買に慣れてきたCさん

 


株を初めて買うAさん

 Aさんは30代前半、家族は妻と2歳の子供が一人います。中堅の家電製品メーカーに勤めていて、将来のために投資をしようと思っています。そしてポートフォリオを検討して、日本株を10万円保有することに決めました。そして今日初めて、個別株を買おうと思っています。ネット証券の検索やソート機能を使って絞っていきましょう。

まずは10万円以下で購入できる銘柄で絞ります。この時点ではまだ2000銘柄ほどあり、到底選べません。

 

次に、安心の東証プライム市場から選ぶとしましょう。また、Aさんは電気機器に詳しいので、業種を電気機器に絞りました。この時点で19銘柄まで減りましたが、まだ一つ一つは見れません。

 

投資のメリットを感じやすいのが、配当です。投資によって自分の手元にお金が入るので、初心者の方は投資をしている実感が湧きます。配当利回りで高い順にソートしてみると、0%~3.8%までありました。2%以上に絞ることにしましょう。

さらに、今の株価が適切かどうかの基準として、PERが15倍未満、PBRが1倍未満で絞りましょう。この時点で4社まで絞られました。

 

それでは各社の安定性、収益性、成長性の指標を比較しましょう。それぞれ違いがありますね。

安定性を重視したいなら日本信号、収益性を重視したいなら大真空、成長性を重視したいなら市光工業といったところでしょうか。

 ここで大事なことがあります。自分がその銘柄を選んだ理由を記録に残しておくことです。複数の株を保有するようになると、後から「なんでこの株選んだんだっけ?」という状況になります。仮に大きく株価が変動したときや、会社の方針が大きく変わった時に、持っている株をどうすべきかの判断の助けになります。

 また、後々その株で大きな利益が出た時には、何が良かったかの振り返りができますし、損出を出したときは、どの分析が甘かったかの反省にもなります。こうすることで、自分の投資スキルと投資知識が向上していきます。


株を何度か買ったことのあるBさん

 Bさんは30代後半、妻と幼稚園に通う子供二人がいます。中堅の家電製品メーカーに勤めていて、将来のために投資を続けようと思っています。ポートフォリオの検討で、日本株を追加で20万円保有することに決めました。近々、株を追加で購入したいと思っています。ネット証券の検索やソート機能を使って絞っていきましょう。

日本株で20万円以下で購入できる銘柄で絞りましょう。さらに、東証プライムで、業種を電気機器に絞ります。この時点で、50銘柄ほどあります。

 

長期的な投資が目的なので、今現在の配当は気にしないことにします。むしろ、配当で還元する分を将来に投資して、会社として成長してほしいと思っています。

さらに、今の株価が適切かどうかの基準として、PERが15倍未満、PBRが1倍未満で絞りましょう。この時点で20社まで絞られました。まだ絞り切れません。

 

Bさんは収益性を重視したいと思っています。そこで、ROEの大きい順にソートしましょう。そして上位から順にみて行って、好みの銘柄が探すことにしましょう。

ROEが最も高いのはスミダコーポレーションですが、自己資本比率が低いのが気になります。

 

ROEが次に高いのはKOAで、自己資本比率も売上高の変化も問題ないです。その他の経営指標も、ざっと見て問題なさそうです。

では、何をやっている会社なのか、四季報で見てみましょう。

固定抵抗器で世界首位級。長野中心に国内生産比率70%強と高い。自動車向けに強み。好財務

とのことです。国内の電気自動車の普及に伴って、今後も利益が拡大しそうな気がします。

 

ROEが次に高いホシデンも見てみましょう。自己資本比率も売上高の変化も、KOA以上によさそうです。

では、何をやっている会社なのか、四季報で見てみましょう。

コネクター、スイッチ、マイク部品等情報通信部品大手。ゲーム機関連は任天堂向けの比率高い

とのことです。今後の動向は、なんとも言えません。

 

ROEが次に高いホーチキも見てみましょう。自己資本比率も売上高の変化も劣りますが、問題はなさそうです。

では、何をやっている会社なのか、四季報で見てみましょう。

日本初の火災報知器メーカー。防災関連2位。ALSOKと提携、防犯分野も展開。海外も注力

とのことです。今後、国内の防犯意識は高まるでしょうし、新興国でも今後防犯意識が高まることは間違いありません。今後もこの会社には期待できそうです。


株の売買に慣れてきたCさん

 Cさんは40代、妻と中学生一人、小学生一人がいます。中堅の家電製品メーカーに勤めていて、投資歴5年でだいぶ資産も増えてきました。株を売買しながら、定期的に収益を上げています。今回、今までよりじっくりと株を選ぼうと思いました。ポートフォリオの検討で、日本株を追加で30万円保有することに決めました。

日本株で30万円以下で購入できる銘柄で絞りましょう。東証プライム、スタンダード、グロースの幅広い中から選びます。XXXX銘柄ほどあります。

 

さらに、人よりも詳しい業種、これから伸びそうな業界を選びます。一時的なブームが起きている業界はだめですよ。

 

配当性向やPERやPBRで足切りしていきます。

 

上から見て行って、経営状態も問題なさそうな会社をピックアップ

 

更に、起業情報をみて、これから伸びそうな会社を選別

 

 これで、お目当ての銘柄が見つかりました。しかし、まだ焦ってはいけません。個別株では、銘柄選びと同じく、売買のタイミング選びも大切です。ここでいくつかの銘柄をピックアップしておき、「上昇と下降のシグナル」を参考にして、購入するタイミングを狙いましょう。