投資を始めよう!

 投資に関する基礎知識はついたものの、どうやって投資を始めたらいいのでしょうか?具体的に投資を始めるまでの手順を紹介します。

  1. 家計を把握しよう
  2. 証券口座を開設しよう
  3. 投資計画を立てよう
  4. 金融商品の種類を決めよう
  5. 投資信託を選ぼう
  6. 投資信託を購入しよう

家計を把握しよう

 「投資を始めたい!」と思った人は今すぐにでも投資商品を買いたくなることでしょう。しかし、ここで焦ってはいけません。生活費を削ってまで投資して、その直後に大きな損失を出してしまうと今の生活が脅かされます。まずは自分が投資にチャレンジできる状況なのかいくらまで投資に回す余裕があるのかを把握しておく必要があります。

 下の表に、一年後の自分はどれだけ資産を持っていて、そのうちいくらを投資に回せるかを記入してみてください。

一年後の純資産 万円
投資に回せる金額 万円

 上の表に数字を記入できなかった人は、まずは家計簿をつけることから始めましょう。投資のためにどのように家計簿をつければいいかを、投資のための家計簿にまとめているので、参考にしてください。この時点で投資にお金を回す余裕がない人は、いったん投資は保留し、家計の状況を変えることに注力してください。

証券口座を開設しよう

 投資を始めるために行わなければならない手続きは、証券口座の開設です。証券口座を作ることでほぼすべての金融商品を買うことができます。世の中には多くの証券口座がありますが、特にネット証券がお勧めです。取引にかかる費用が安く、ネットで24時間取引可能なので、副業として投資をする人には最適です。
 有名どころとしては、SBI証券、楽天証券、松井証券が挙げられます。詳しくは、ネット証券 比較を見てください。証券会社によって手数料や、提供される情報などが違います。後から別の証券会社で口座を開設することができるので、とりあえず有名なところを選ぶといいでしょう。ちなみに私は、楽天証券です。複数の証券口座を使い分けている人もいますが、一つあれば十分でしょう。

 口座開設は、ネットか郵送で行いますが、ネットの方が早くてお勧めです。

1.専用サイトにアクセスします。

2.ネット上で自分の情報を入力し、身分証明書類の写真を提出します。

3.数日して審査に通ると口座が開設され、書類が届きます。

4.ネットでマイページにログインします。

5.証券口座に入金(口座振込、ATM入金、振替入金 など)します。

6.マイページより、ネット上で金融商品の売買ができるようになります。

 

有名なネット証券の口座開設用サイトを、以下にまとめました。

また、ぜひNISA口座を開設しておくといいです。手続き方法は後々詳しく説明します。

投資計画を立てよう

 ただ単に「お金をたくさん稼ぎたい」ではダメです。投資を行う目的と目標を明確にし、そこに至る具体的な計画を立てましょう。目的や目標をしっかり決めていないと、身の丈に合わない無謀な投資をしてしまったり、必要以上の利益を求めて過剰なリスクを取ることになります。また、少しの損失でもパニックになったり、着実に利益が出ているのに満足できない状態が続き、精神的に疲弊します。

 このサイトは現役サラリーマンの副業投資向けです。"リスクを低くし、長期的に着実に増やしていくこと"が最適だと考えています。具体的に考えてみましょう。

 今世間では、老後2000万円問題がよく取り上げられます。退職金と貯金を合わせて1000万用意するとして、残りの金額を投資で確保するとしましょう。つまり、”定年退職の時に、老後十分暮らせるだけのお金を用意する”という目的のために、”定年までの30年間で投資資産を1000万円にする”という目標を立てたとします。

目的   定年退職  の時に、 十分な老後資産を用意 する。
目標   30 年間で、 投資資産を1000万円に する。

 ここから逆算していきましょう。仮に、年平均5%で長期的に運用すると想定すれば、逆算して年間で16万投資すれば十分だということが分かります(計算方法は複利効果を参照)。毎月1万円を積み立てで投資し、ボーナスから4万円を投資に回せば、目標が達成できそうです。ここで注意してください。「家計を把握しよう」で記載した、毎月投資に回せる金額を超過していてはいけません。家計が破綻します。

目的   定年退職  の時に、 十分な老後資産を用意 する。
目標   30 年間で、 投資資産を1000万円に する。
大計画 毎年、 16万円ずつ、利回り5%で再投資 のように運用する。
小計画

毎月、 1万円ずつを積み立て という計画で投資し、

 ボーナス の時は 追加で4万円 という計画で投資する。

 こうやって遠くの目標から近くの目標を逆算していくと、投資計画が具体的になってきます。人それぞれの投資目標には、いろいろなモデルケースを掲載したので参考にしてください。最終的に、下の表の下線部分が埋められればOKです。

目的         の時に、           する。
目標     年間で、             する。
大計画 毎年、                 のように運用する。
小計画

毎月、            という計画で投資し、

      の時は        という計画で投資する。

金融商品の種類を決めよう

 世の中には無数の金融商品があるので、いきなり商品を買おうと思ってもとても選びきれません。まずはどのような種類の金融商品を買うべきかを考えましょう。

 株、債券、投資信託、為替について、初級知識の金融商品の種類にまとめましたが、ここではもう少し分類を細かくして解説していきます。分類して特徴を対比していくと分かりやすいです。詳細は金融商品の分類に書いていますが、大雑把にした表にまとめました。

大分類  小分類 特徴

 株

(国の違いは省略)

ディフェンシブ株 景気にあまり影響を受けない安定した銘柄。
シクリカル株 景気に大きく影響を受ける銘柄。

債券

(新発債と既発債

 の違いは省略)

公共債(先進国) 国債など。リスクが低く、リターンは小さい。
公共債(新興国) 国債など。リスクが高く、リターンは大きい。
民間債

民間企業や金融機関など。発行体の特徴による。

投資信託

(株/債券/不動産/商品

 の違いは省略)

インデックスファンド 全体の値動きに追従した利益を目指して運用する。
アクティブファンド 全体の値動きを上回る利益を目指して運用する。
外貨 先進国通貨 為替変動が安定しており、利率は低い。
新興国通貨 為替変動が激しく、利率は高い。

 上記の表からどれに投資してみたいか、選んでくみてください。どの分類に該当する商品を購入するかをまず決めれば、効率的に金融商品を選べます。投資初心者の人は、まずは投資信託を選びましょう。

 投資信託の中でも、初めに購入する商品としては、「株」の「インデックスファンド」がお勧めです。

投資信託を選ぼう

 数ある金融商品の中から投資信託を選んだとしても、まだまだ選択肢はたくさんにあります。多くの投資信託商品の中から、どのように選べばいいのでしょうか?

 

 効率的なのは、 ネット証券のスクリーニング機能で商品の絞り込む方法です。自分の理想の商品がある程度絞れます。それでもたくさんの選択肢がある時は、各項目ごとにランキング形式でソートして比較し、最も自分に適しているものを選びます。各項目というのは、利率や手数料、取引量などです。

 

 ここでは投資信託を例にとって、商品の選び方を具体的に解説していきます。前章の「投資商品の種類を決めよう」で、国内株のインデックスファンドから選ぶことにしたと仮定します。

 まずは、スクリーニング機能で条件を指定して商品を絞ります。例えば、「NISA対応」「インデックスファンド」「株式対象は日本」の条件で絞り込みます。かなり絞られましたが、まだ100近くのファンドが残りました。さらに、「運用期間10年以上」「10年間のリターンが10%以上」の条件で絞ります。ようやく十数件に絞られました。

 ここから、管理費用が低い順番にソートしてみます。そして上位から一つ一つ見ていくと、好みのファンドが見つかるはずです。このような流れで、無数にある投資信託の中から、自分に合ったものを効率的に見つけられます。

 

 とはいっても、スクリーニングしたりソートするためには、投資信託はどのような項目で評価できるのか知っておく必要があります。詳しくは、投資信託を選ぶ条件にまとめました。

 

 個人的におすすめな条件は以下です。

  • 手数料       ←低い方がいい
  • 純資産総額     ←50億円以上
  • 分配金       ←再投資型
  • 運用期間      ←5年以上
  • ランキングやスコア ←基準を確認
  • 信託期間      ←無期限

 また、一つ一つの商品には、目論見書といって、その投資信託の運用方針や、今までの運用実績やなどが詳しく書かれた書類があります。その目論見書を閲覧して、以下を確認しましょう。

  • 運用方針     ←自分の理想に近い
  • 保有商品の内訳  ←自分の理想に近い
  • 過去の運用実績  ←安定している

投資信託を購入しよう

 それではいよいよ、ネット証券で投資信託を購入してみましょう。以下の3ステップで購入します。

1 買い方を決める

 ・積み立て注文かorスポット注文 を選択

 ・NISA口座or特定口座 を選択

 ・口数指定or金額指定 を選択

 基本的に、積み立て注文、NISA口座、口数指定にしましょう。

 

2 目論見書を閲覧する

 購入する前に、閲覧画面が表示されます。

 読み飛ばしせず、しっかり読んでおきましょう。

 

3 注文する

 注文後数日で、投資信託が自分の持ち物となり証券口座に反映されます。注文したときの価格と、実際に購入された時の価格が異なるので注意しましょう。なぜ注文して数日しないと購入されないのか、なぜ注文したときの価格と異なるのかは、投資信託が手に入るまでで説明しています。

どうでしょうか、納得いく商品は買えましたか?

ここからは、さらなる投資についての知識と、実際の長期的な投資のやり方について解説していきます。